「いつもすごい写真投稿しているよね!」
先日私のInstagramについて友人から言及されました。
私の返事はこうでした。
「キラキラしてる写真しか載せてないからね。」
キラキラ投稿の裏側を考察する
友人は私のことを「いつも旅行していて、美味しそうなご飯を食べて、素敵な旦那さんがいて羨ましい」と思っているようでした。
投稿している本人からすると、リアルではこうです。
- いつも旅行していて → いつもではない(年に数回)
- 美味しそうなご飯 → 自分で作ったものは(ひどくて)載せられないので......
- 素敵な旦那さん → 優しいけど喧嘩もする(遠距離別居しているので会えるのは年に数回)
フリーランスという立場上、自由に動き回れる反面、会社員と比べると経済的には不安定なんですよね。
でもそんなことを赤裸々に投稿しません。楽しくないからです。
友達も有名人も、インスタグラマーもみんなキラキラしているように見えますよね。
「〇〇しながらのんびり生活しています」
「1日〇〇分作業だけで稼いでいます」
「今日は〇〇でディナー(〇万円)したよ!」
キャッチーなフレーズで人の目を惹くようにみんな工夫しています。
マーケティングの手法であったり、コピーラィティングの技術が使われていると思うことも多いです。
一部の人は、本当に毎日がキラキラしているという人も存在します。
でもそうなるまでガッツリやり込んでいたり、うまくいかない時期があった人たちです。
稼げていない人や生活がうまくいっていない人でも、うまくいっていないなんて吐露するのは稀なことです。
「強がっている」という表現には語弊がありますが、自分が良しと思ったものしか人に見せることはしません。
※この記事では一般的に人が見て羨むような「キラキラ投稿」をテーマにしているので、辛い経験や言いにくいことを発信しているものについては含まないと考えてください。
テクノロジーは人間が依存するようにできている
SNSにはそれぞれ強みや特徴がありますが個人的なイメージはこんな感じ。
(完全に個人の偏見なので異論もあると思いますが......)
原則として本名で登録する必要があるので変なこと言ってる人が少ない。 ライフステージの変化によって投稿頻度が変わったり、日記のように毎日投稿されてたりする。 |
|
インフルエンサーの登場で一般人もキラキラした投稿をする傾向がある。 過去の投稿もさかのぼりやすい。 グルメ系やアクセサリー系の視覚に訴える系が強い。 |
|
匿名性が高いので信憑性の低い情報も多々流れてくる。 拡散力があるのでバズると良くも悪くも話題になる。 人間の黒い部分が垣間見える。 |
SNSは自分の力ではコントロールが難しくなるほどの依存性を秘めています。
私もよく陥るのですが、1日何時間もSNSに時間を浪費してしまう人は少なくないのではないでしょうか?
ちょっとだけチェックのつもりが、気がついたらあっという間に30分なんてことも。
私は一時期「これは本当にまずい」と思って「SNS 依存症」で書籍を検索してこちらを読みました。
本の内容をものすごく簡潔にまとめると......
SNSなどのテクノロジーは依存症ビジネスとも言われていて、依存する人間が悪いのではなく
テクノロジーが人間を依存させるようにできているということです。
テクノロジー(SNS)の仕組みを理解した上で、SNSとの付き合い方をコントロールしていきましょうね、ということが書いてあります。
本を読んでいて驚いたのが、iPhoneを創ったスティーブ・ジョブズは自分の子どもにはスマホを絶対に与えなかったそうです。
これは開発者が自分たちのテクノロジーの依存性の高さを理解していたということになります。
自己肯定感の低さに更に拍車をかけさせる
日本人は特に自己肯定感が低いと言われています。
そこに他人の生活が見えるSNSが登場したことで、無意識に他人と比較してしまうことが増えました。
SNSの登場が幸福度に影響したとされる有名なブータン王国の話があります。
世界幸福度ランキングで日本や韓国などのアジア諸国が下位に鎮座する中、同じアジアの国ブータン王国は長年上位にいました。
しかしSNSの登場で他国の豊かさの情報が簡単に手に入るようになり、自分たちの現状と比較して幸福度が下がってしまったというのです。
他人の生活を見る前までは現在の生活に不便さは感じることはあっても、他人と比べて自分が劣っているということまでは考えなかったのではないでしょうか。
SNSにアクセスできる世界中のすべての人が、この感覚がどんなものか理解できると思います。
リアルでも本当にキラキラしているの?
あなた自身のことを振り返ってみてください。
SNSに投稿する写真に選ぶものは自分が楽しいと思う瞬間だったり、嬉しかった思い出の写真ばかりではないでしょうか。
楽しいことのすぐそばでは、人間関係の悩みだったり、家族のことでモヤモヤしていたり、人生について考えていたりするかもしれません。
「表裏がある!」と言っているわけではなくて、人が見ている場所では頑張れても本質的な悩みは誰しもが持っているものです。
芸能人や世界的に著名な人物ですら、何らかが原因で自ら命を断ってしまう報道も見聞きしますよね。
毎日キラキラ投稿しているあの人も、見えないところで悩みがあるものです。
あなたが今抱えている悩みと同じ悩みを抱えながら、賢明にもがいている人がほとんどです。
キラキラに惑わされないように、悩みのない人はいないことを覚えておいてくださいね。